カワイピアノ

チャーチオルガンスタッフブログ

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志村拓生先生インタビュー④

―日本の教会での賛美歌伴奏の現状は?

私が継続している仕事で、賛美歌の伴奏譜出版があります。教会では、礼拝における会衆の賛美、それを支える賛美歌伴奏はとても大事です。先ほど話したオランダでは、ある時期から会衆が歌う賛美歌の伴奏にオルガンを使うようになってきて、賛美歌伴奏用の楽譜がたくさん出版されているのです。

私がアムステルダムに行ったとき、コンセルトヘボウの隣の楽譜屋さんで10キロも賛美歌伴奏の楽譜を買い込み、空港で超過荷物・・・、この時は係員が、楽譜を機内持ち込みのカバンに入れるように勧めてくれ、助かりましたけれども(笑)。そんなわけで、オランダでは賛美歌用の伴奏譜がおびただしい数、出版されているのです。これはとても興味深いことで、主体となっているのがジュネーブ詩篇歌なのです。

《ここで先生が出版された"讃美歌21による賛美歌伴奏曲集"を見せていただきながら》


これは一つの賛美歌に対して、前奏と各種の伴奏を付けるというもので全10巻を出版する予定で現在7巻まで出版されています。やはりオランダの賛美歌伴奏の仕方に刺激を受けましたね。日本では賛美歌を譜面通り弾かなければいけないという妙な迷信があります。でも、もっと礼拝を豊かにするために伴奏の仕方を考えても良いと思うのです。このことは楽器から刺激を受けることもあるわけで、楽器の特性や音色から、また、賛美歌のスタイルに合わせた伴奏譜を作りたいという意欲が涌いてきました。実は賛美歌を譜面通り弾くのは難しいが、著作権の関係で譜面を変更することは出来ないという事情もあり、このことでオルガニストの負担が大きくなっている場合もあります。そこで、著作権を獲得して、もっと易しくした伴奏譜で日本のオルガニストが楽に伴奏出来ることを考えたわけです。

―オルガンを習うことについて、考えをお聞かせ下さい。

さて、ここで大事になってくるのは、正しいオルガン教育。そもそも、オルガンを自分だけで勉強するのは難しいことですから。オルガンは長い歴史もあり、自分だけで習得出来るほど簡単ではない。そのために、オルガンを勉強する良い場所、教えてもらえる先生、これからはそこが重要になってくると思います。カワイはオルガンを販売するだけでなく、教える場所を提供することも必要になってくるでしょう。

―痛いところを突かれました!実は、今まさにその重要性を感じており、カワイとして動き始めなければならないと思います。

少人数でもよいから、どのようにオルガンを使うのか教える施設が絶対に必要で、楽器を販売することと合わせて、教育する施設を提供することを是非ともお願いしたいと思います。ヨハネスはそれだけの中身を持ったオルガンで、しかも、一人で習得出来るほど簡単な楽器ではないと思います。

(続く)


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