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チャーチオルガンスタッフブログ

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オルガンの強弱表現

パイプオルガンは一定の風圧がかかっています。このため、パイプから出る音の音量を変化させることが出来ません。しかし、スウェル鍵盤(2段鍵盤の場合、通常上鍵盤になる)に属するパイプ群は、全て箱の中に収められています。この箱の前面に設けられた格子状の扉を、足元のペダルを操作して開閉させ、音量を変化させることが出来ます。この音量変化は単純で直線的なものではなく、カーブを描くような独特の音量・音質の変化も感じ取れます。



このパイプオルガン独特の機能はチャーチオルガンでも採用されています。これを操作する足元ペダルはエクスプレッションペダルと呼ばれ、パイプオルガンの重要な一機能となっています。更にチャーチオルガンでは、エクスプレッションペダルの効果がオルガン全体に及ぶように機能を切り替えることができます。パイプオルガンではあり得ないことですが、ポピュラーオルガンに慣れ親しんだ人にはこの方がしっくりくる場合があります。

このスウェル鍵盤の扉を開閉操作する機能は別として、通常パイプオルガン全体で強弱を表現したいときは、使用するストップ数の増減で対応します。この増減をあらかじめ決められた順番(オルガンにもよりますが約20段階)で徐々に変化させることの出来るペダルをクレッシェンドペダルと呼び、通常、エクスプレッションペダルの右隣に配置されており、チャーチオルガンで足元ペダルが2個以上付いているモデルは、これに相当します。




北の大地に響くヨハネスオルガンの音

この度、ヨハネス・エクレシアT-150を納入させて頂いた札幌聖ミカエル教会は、札幌市東区にある日本聖公会北海道教区の教会です。



教会の建物はチェコ出身の建築家、アントニン・レーモンド氏による設計で、北海道産の木材や煉瓦、砂利などが用いられています。2007年には札幌景観資産の指定を受けました。石造りの床や煉瓦の壁でオルガンの音はしっかりと安定し、更に木の壁や天井による柔らかな響きが絶妙なバランスでオルガンの音を豊かに演出します。



ヨハネスオルガンは4つの様式を切り替えられることに司祭は感心されて、特にバロック様式を気に入っておられました。教会へのオルガン設置に際しては、その場にあった音量、響きの調整が大事であることを司祭も良く理解されており、司祭に聴いていただきながらひとつひとつ丁寧に調整しました。



和紙を貼り巡らせた窓から差し込む柔らかい光に包まれた素敵な空間で、新しいオルガンが荘厳かつ慈愛に満ちた音を奏でることでしょう。


楽譜と違う?

CDでオルガン曲を聴くと、楽譜とは違う調で演奏されていることがあります。これは古くからあるオルガンを使って録音されたときに起こるもので、現在の標準ピッチであるA=440Hzに統一される前は、時代や地域によってバラバラなピッチが使われていたため、オルガンも現在の標準ピッチとは違う調律になっているものがあるのです。

このような古い時代の調律を、現在では便宜上下記のように分類することがあります。

バロックピッチ(現在より半音低い)
ヴェルサイユピッチ(現在より全音低い)
ヴェネチアンピッチ(現在より全音高い)


チャーチオルガンでは、これらのピッチをトランスポーズ機能を使って簡単に再現することができます。例えばバロックピッチはトランスポーズを-1に設定すればよいのです。

但し、バロック時代は全て今より半音低かったということではありません。バッハが演奏していたオルガンは現在の標準ピッチよりも高かったとも言われています。

たまにはいつもと違うピッチで演奏してみるのも面白そうですね。


Johannus One は魅力満載のキーボード

パイプオルガンに興味があるけど、所詮、高嶺の花。足鍵盤なんて到底無理だし、そもそもオルガンを置くスペースもない。そう思っている方はいらっしゃいませんか?
気軽に本格的なオルガン体験が出来るJohannus Oneは、皆様を新しい世界へ誘います。

バッハをはじめとしてバロック時代の楽曲には手鍵盤だけで弾けるオルガン曲がたくさんあります。また手鍵盤だけで弾けるように編曲された楽譜も各種出版されています。
また、バッハのインベンションや平均律をオルガンの音色で弾くと、新しい魅力を発見できます。

ダンパーペダルで音が伸ばせるピアノとは奏法もタッチ感も異なりますが、オルガンの世界を手っ取り早く体験するには、手鍵盤だけで弾ける曲は格好の入り口です。

そんなときに最適なのが、Johannus Oneポータブルオルガンです。


Johannus Oneの特徴

*76鍵で14kgのコンパクトなボディに本格的なオルガンサウンドを満載!
  オルガンの音が少ししか入っていないキーボードとは似ても似つかぬ代物です。
*操作はストップと呼ばれる音色を選択するタブレットの組み合わせで音作りをしていきます。
 Johannus Oneは正にオルガンの考え方に基づいて設計されています。
*音色ストップは全部で16個、オルガン様式は5種類用意されていますので、全部で80種類
 ものオルガン音色を内蔵しています。
*音色の組み合わせは、鍵盤下のメモリーボタンに記憶させることもできます。
*押さえている鍵盤の最低音を足鍵盤の音色で鳴らし、手だけで充実した低音感を再現可能。
*オルガン音色以外にもピアノやチェンバロを含むオーケストラ音色を34種類内蔵。
*レコーダー機能やBluetoothも装備。外部機器との接続も充実しています。

詳しい製品情報はこちらから。



オルガンブログ始めました!

カワイで扱っているヨハネスオルガン(オランダ)ロジャースオルガン(アメリカ)を始めとして、オルガンに関する様々な話題を提供していきます。

ご期待ください!


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