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チャーチオルガンスタッフブログ

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志村拓生先生インタビュー②



―先生の生い立ちとオルガンとの出会いは?

岐阜県の山中、鉄道もない上岡という町で、牧師の家庭に生まれ、子供の頃からリードオルガンが身近にありました。昭和23年の小学生の頃、父親の転勤で、八王子に移り、教会にはリードオルガンがありましたが、パイプオルガンを勉強したくて、奥田耕天先生に習いに行きました。昭和30年代、当時ペダル(足鍵盤)付きのパイプオルガンは東京に5台くらいしかなかった。それで、ペダルの練習をどうしたかというと、父が米軍の牧師と関係があり、そこにハモンドオルガンがあって練習させてもらい、ペダルに慣れる基礎の訓練となりました。そして米軍施設の神奈川の通信隊の教会オルガニストを10年務め、武蔵野音大に入学したわけです。

音大に入った当時、先輩は2人だけ。そして音大に入った翌年、ベートーベン・ホールにドイツのクライス社のオルガン(4段鍵盤、55ストップ)が設置され、とてもタイミングが良かったと思いました。練習室にはヴァルカー社の11ストップのオルガンがありました。それから、講師を経て、ドイツ・デットモルトの音楽大学教会音楽科に留学しました。最初の1年分くらいのお金しかない当時、4年にわたり教会当局からの支援がありました。1972年に日本に帰ってきて、武蔵野音大で教えるようになり、しばらくして、あなた達が生徒として入ってきたわけですね・・・

―ヨハネスオルガンをどのように評価されていますか?

日本の教会は貧しい、また、教会員の老齢化もあり、一般の教会でパイプオルガンを買うという、経済的ゆとりはない。これからの時代の教会と楽器、礼拝に使う楽器を考えるときに、必ずしも、パイプオルガンでなければならないという事はなくなると思います。ピアノが設置されるところもあるだろうし、ゴスペルを歌う教会では、それに合う楽器が選ばれるだろうし、これからは、教会には、良い音響の良い電子オルガンが入ってくることになるのではないかと思います。先ほど話したように、オランダのヨハネスオルガンは教会の賛美歌の伴奏に結びついているわけで、教会に導入されることは望ましいと考えます。

もう一つ、この頃の傾向として、教会とは関係なく、オルガン愛好家が増えていて、オルガンが必ずしも教会の楽器ではなくなってきています。古楽も盛んになってきて、昔の音楽を楽しむようになってきました。その中でオルガン音楽の分野は大きいし、バッハはおびただしい数の質の高い曲を書いている。そこで、オルガンを楽しみたい人が家庭で弾けるようになるために、少し贅沢に言うならば、小さなオルガンではなくて、いろいろなスタイルの曲が弾けて、特色を持った3段鍵盤のオルガンが設置されると、私としては嬉しいですね。また、オルガンを演奏する人が増えることも。

―最近、自宅用にオルガンを買われる方が増えて、納品に立ち会うと、そこでレジストレーションのやり方を聞かれ、ついでに「何種類かメモリーに入れておいていただけます?」、なんてことに(笑)。そこで、”オルガンを始めたきっかけは?”と聞くと、”コンサートホールで聴いて、弾きたくなった”という人がとても多い。つまり教会とは関係ない人たちがオルガンに興味を持ってきている。大学の社会人枠のオルガンコースもあり、こういった方々が逆に「教会に行ってみようかしら」、なんてこともあります・・・

そう、昔は「オルガンがあるから教会に行ってみようか」だったのに(笑)。

(続く)

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