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チャーチオルガンスタッフブログ

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エクレシア・クワイヤ

そもそもチャーチオルガンは、パイプオルガンの代用品として開発されてきました。中世からルネサンスにかけて教会で使われ始めたパイプオルガンは、そのほとんどが天井に近い後部バルコニーに設置され、その音は、まるで天から降ってくるように響いたのです。つまり、このような音響空間で育てられ発達してきた楽器なのです。したがって、チャーチオルガンを教会に設置する際には、外部スピーカーを用いて壁際のなるべく高い位置に設置するのが理想的です。

しかし、小さな教会ではスピーカーを内蔵した家庭用のチャーチオルガンを設置する場合もあります。この場合、スピーカーは演奏者の方を向いているので、会衆にオルガンの音が良く聴こえるようにするためには、演奏者は会衆に対して後ろ向きにならざるを得ません。ところが、エクレシア・クワイヤに限って言えば、9つのスピーカーが前向き(オルガンの背面)に付いているので、演奏者は会衆に向かって演奏することができます。歌の伴奏をする際にも歌い手とのコミュニケーションがとりやすく、ミサや礼拝の進行が把握しやすいので、小さな教会のためには良く考えられた構造となっています。

ヨーロッパでも小さな礼拝堂には、小型のパイプオルガンが会衆席の近くに置かれていることがあります。エクレシア・クワイヤは、まさにこのシチュエーションを想定して設計されたのです。

出力は合計で490Wあるので、100人くらいまでの広さであれば十分です。外部スピーカーの設置場所やスピーカーケーブルの引き回しを考えることなく、比較的容易に導入が可能なエクレシア・クワイヤは、オルガン購入を検討している小~中規模の教会にとって魅力的なモデルであると言えるでしょう。


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