カワイピアノ

チャーチオルガンスタッフブログ

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志村拓生先生インタビュー⑥(最終回)



―オルガニストやオルガン愛好家・関係者たちに何かメッセージはありますか?

教会オルガニストほど幸せな仕事はないと思います。ピアニストが演奏会を開くとしたら年に1回あるかないか、教会のオルガニストだったら、もしその教会にオルガニストが一人なら毎週毎週、本番がある。そのために周到な準備が必要で、とにかく大変な仕事です。ピアノをやっていて指が動くからオルガンが弾けるというほど簡単な楽器ではない。

そういう意味でオルガニストは大きな特権を与えられている仕事といえます。その日のその礼拝は、いつも1回限りであり、これはとても大事なことで、その意味で教会オルガニストは日々研鑽を積まないといけません。教会によって礼拝の人数・状況、やり方が違ってくるから、昔みたいにピアノが弾ければ、誰でも、その職分を果たせるという時代ではなくなっています。

それから、教会に関わっていないオルガニストも、コンサートなどの目的のために研鑽を積んで欲しいと思いますし、自宅のオルガンで練習を積むことで、公共ホールの大きいオルガンを弾くことが難しくなくなります。

―私の後輩のオルガニスト達が自宅でレッスンし、その発表会として、例えば川口リリアとか県民ホールなどのコンサートホールを使っている。

今、オルガンを発表する場所が、教会だけではなく公共ホールにも広がっています。大ホールじゃなくても、オルガンが設置されている手頃な中規模ホールがあります。そういうところで、オルガン音楽の魅力を広めてもらいたいと思います。

―本当にその通りですね。ここまでたくさんの貴重なお話を伺いましたが、このインタビューの最後にあたり、「これだけは言っておきたい!」一言をお願いします。

最近、私が楽しみにしていることの一つに、ヨーロッパで活躍した若いオルガニストが日本に帰って来ている。しかしながら、日本の教会がそういう人たちを受け入れていないことが残念でならないし、彼らの活躍の場が少ない。そんな中で、各ホールでのお昼のコンサートが盛んになって来ているので、こういった場で、オルガンの魅力を伝える機会を増やして欲しいと思います。

―日本の多くの若手が国際コンクールで優勝していますよね。でも帰って来て活躍の場がない。

やっぱり、基本的にオルガンは教会の楽器。だけれど、残念ながら日本の教会は、信者にならないとオルガニストたちを受け入れない。彼らによって豊かなオルガン音楽が与えられるのに・・・。また逆に、勉強してきた若い人たちは、日本の教会音楽に何が合うのかを考えて欲しい。習ったことをそのまま出してしまうことはとても危険ですからね。私の願いとして、教会はもっと若い人たちを受け入れて欲しい。教会が寛容な心を持って受け入れてくれたら、私としてはとても嬉しいことです。

―本日はお忙しいところ貴重なお時間を頂きまして、ありがとうございました。

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